世間ではロボット化、AI化と騒がれていますが、AIはともかくロボット化は中小企業では難しいのではないかと思います。
先ずはコストの問題。
導入コストもそうですが、ランニングコストも高いという事につきます。
ロボットなので、各部モーターがあり減速機などが絶えず摩耗にさらされます。通常定期的にグリスアップをしてそれらをメンテしてやるのですが、各減速機ごとに使用するグリスの粘度が変わってきたりします。また注入も廃グリスを押し出して入れ替えるのか、補充するのか各部によっても異なります。これらは内製は難しい会社もあり、外注するとかなりの高額である場合が多いです。
次に保全性。
保全は目新しいものは嫌います。トラブルがあった時手が付けられず、それがどう影響を及ぼすか分からないからです。数時間、数日ロボットが止まると企業や取引先にとっても痛手となります。プログラミングの問題もあります。機械のPLCならばまだ浸透していますが、新たなプログラミング言語となる場合、中小企業で各社保全が数人しかいない場合は対応が難しいでしょう。
プログラミングと少し重なりますがティーチングの問題。アーム型ロボットで数か所の加工をするライン型の工程ならともかく、複雑な工程を1台でやろうとする場合は、ティーチングが複雑になり過ぎるということになります。
そしてモデルチェンジサイクル。現代は何かと次々と新しいものが生み出されます。iphoneも1年毎に新しいものが生まれます。そのたびに新たなプログラムやティーチを必要とし、加工なら条件出しがあり、品質も厳しくなっています。市場フィードバックや微調整による設計変更も多く都度対応となります。
作業員全員をロボット保全ができるようにするのと、ライン工程の1つの作業を覚えさせるのがどっちが効率よく早く覚えるかと言えば明白です。
超巨大企業某社は新たなラインを全自動でやるようにしていましたが、モノの最終工程なので変更が少なく、利益も多く人材も豊富なので可能ではあります。ただ、その会社の取引先はそれなりの会社でも難しいとは思われます。
人型ロボットが走りまわっている大会があるようですが、人間の仕事にとって代わるには耐久性と信頼と保全性、コストの面で全て上回らないと巨大企業以外は手が出しにくく、人間の優位性はまだまだ高いと思われます。
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